効能・効果追加情報【平成27年8〜9月分】

効能追加
今回は平成27年8〜9月分の効能・効果が追加となった薬剤のうち、薬局薬剤師に関係がある薬剤をまとめました。今回の注目すべき点はイクセロンパッチ、リバスタッチパッチの用法・用量追加です。新しい用法で投与する場合は慎重投与の項目に該当しないことを確認しなければならないという点に注意が必要です。

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効能・効果追加品目【平成27年8〜9月分】

①イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ(リバスチグミン)【用法・用量追加】

用法及び用量が新たに追加となりました。従来では1日1回4.5mgから開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持量として1日1回18mgを貼付するとされており維持量になるまで12週必要でした。

今回の改訂で新たな用法・用量として患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量する方法が追記されました。

注意点としては慎重投与に該当する場合は従来の1日1回4.5mgより投与を開始する方法を選択することと記載されている点です。そのため、この1日1回9mgを開始用量とする場合は慎重投与に該当しないことを確認する必要があります。しかし、慎重投与の項目が多いためなかなか骨の折れる確認となると思います。

具体的には以下のいずれにも該当しないことを確認しなければなりません。

①洞不全症候群又は伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック)等の心疾患
②潰瘍(既往含む)、NSAID投与中
③尿路閉塞のある患者又はこれを起こしやすい患者、
④てんかん等の痙攣性疾患(既往含む)
⑤気管支喘息(既往含む)又は閉塞性肺疾患(既往含む)
⑥錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)
⑦低体重の患者
⑧重度の肝機能障害のある患者

これらの多くはコリン作動性作用により上記のもとの疾患の症状が誘発、悪化する可能性があるため設定されています。つまり漸増の根拠となる吐き気などの消化器系障害が理由ではない点に注意が必要です。(なお、低体重の患者は消化器系障害を、重度の肝機能障害のある患者は血中濃度が上昇するおそれがあることを理由としています)。

慎重投与の項目なんて覚えにくいと感じるかもしれませんが、多くの項目がベサコリン(ベタネコール)等のコリン作動薬では禁忌として設定されている内容であることを踏まえると理解しやすいかと思います。

薬剤師の対応としては初期量が9mgで処方がきた際に、患者に慎重投与の項目が該当しないかどうか確認します。慎重投与の項目に該当する場合は疑義照会をします。

疑義照会により用量が変更になった場合も変更にならなかった場合でもいずれにしても患者に対して慎重投与に該当した症状の悪化に対する注意を促したほうがよいでしょう。

②アーチスト【効能追加】

頻脈性心房細動の効能が追加となりました。用法・用量は成人1回5mgを1日1回経口投与から開始し、効果が不十分な場合には10mgを1日1回、20mgを1日1回へ段階的に増量する。とされています。なお、アーチスト1.25mgの規格にはこの効能はありません。

また、頻脈性心房細動を合併する高血圧症、又は狭心症の患者に投与する場合には、頻脈性心房細動の用法・用量は1日1回5mg投与から開始することに留意した上で、血圧や心拍数、症状等に応じ、開始用量を設定することとされています。

なお、慢性心不全を合併する場合はより低用量の慢性心不全の用法・用量に従う必要があります。

③トレシーバ注フレックスタッチ【小児用量追加】

小児適応が追加となりました。投与量に関しては患者の状態に応じて適宜増減すること、また他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日0.5~1.5単位/kgであることと記載されました。

④イグザレルト錠【効能追加】

深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制の効能が追加となりました。用法・用量は深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間は15mgを1日2回食後に経口投与し,その後は15mgを1日1回食後に経口投与することとなっています。つまり発症後3週間を越えると1日1回に減量が必要ということです。

薬剤師としての対応としては、深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症として1日2回の処方箋がきた場合には患者に対していつ頃発作を起こし、どの程度の期間イグザレルトを服用しているかを聴取します。服用が発症後3週間を越えているにも関わらず1日2回ででている場合は疑義紹介が必要となります。

なお,この15mg1日2回3週間投与時に服用を忘れた場合は,直ちに服用し,同日の1日用量が30mgとなるよう,患者に指導することとされ、この場合1度に2回分を服用させてもよいとされています。ただし、翌日からは毎日2回の服用を行うよう患者に指導することが必要とされます。

⑤ラミクタール錠【効能追加】

てんかん患者の定型欠神発作に対する単剤療法の効能・効果が追加となりました。

DSU等の解説
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