2023年３月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はGLP-1 受容体作動薬の急性胆道系疾患の注意やパキロビットパックの併用禁忌追加が重要な内容かと思います。
①GLP-1 受容体作動薬（バイエッタ、リベルサス、オゼンピック、トルリシティ、ビクトーザ、リキスミアなど）【重要な基本的注意・重大な副作用】
「重要な基本的注意」に胆石症、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸についての記載が追記になり、「重大な副作用」に胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸が追記となりました。
なお、胆石症はその他の副作用に記載となっています。
こういった急性胆道系疾患の注意についてはGLP-1受容体作動薬のなかでは昨年承認されたマンジャロ皮下注アテオスで先駆けて注意喚起の記載がされていましたが、今回の改訂により他のGLP-1受容体作動薬でも同様の記載がされました。
重要な基本的注意に急性胆道系疾患の注意が記載されたため、腹痛等の腹部症状がみられた場合の説明をする必要がありますが、腹痛はそもそもGLP-1受容体作動薬共通の注意点である膵炎の説明に含まれるので、実際の説明の内容が増えるということはそれほどないかと思います。
＜重要な基本的注意＞
胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。
＜重大な副作用＞
胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸（いずれも頻度不明）
②アイモビーグ皮下注ペン【重要な基本的注意 削除】
本剤の注射針カバーにラテックスが含まれなくなったため、従来、重要な基本的注意に記載されていた下記のラテックスに関する注意が削除となりました。
なお、注射針カバーにラテックスを含む従来品もまだ流通しているので注意が必要です。ラテックスフリー製品の外箱には「ラテックスフリー変更品」と表示されているようです。
＜重要な基本的注意 削除＞
本剤の注射針カバーは天然ゴム（ラテックス）を含み、アレルギー反応を起こすことがあるので、投与に際し、問診を行うこと。
③コレクチム軟膏【デルゴシチニブ】
特定の背景を有する患者に関する注意の小児の項目に記載されていた「2 歳未満の幼児を対象に，有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない」という記載が、臨床試験が実施されたことより「6ヵ月未満の乳児を対象に，有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない」に変更されました。
④パキロビットパック【併用禁忌】
併用禁忌に下記が追記となりました。
処方医側も新たに併用禁忌になったものは認識がなく処方されてしまうケースも想定されるので、在庫をしている店舗の薬剤師は必ず認識しておく必要があります。
・セララ（エプレレノン）
・ブリリンタ（チカグレロル）
・ベルソムラ（スボレキサント）
・コララン（イバブラジン）
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