2022年7月分 DSUのまとめ

2022年7月分 DSUのまとめ

コロナ患者急増により、製薬会社に確認する時間が捻出できなかったため、提供が遅れています。2022年7月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回は品目は多くありませんが、メジコンやラックビーR散の禁忌の緩和などは認識しておいたほうがよいかと思います。

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①フラジール錠(メトロニダゾール)【重大な副作用】

重大な副作用に「QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)」が追加となりました。

②レイボー錠(ラスミジン)【併用注意】

相互作用に「 P 糖蛋白(P-gp)を阻害する」という記載が追記され、併用注意に「治療域の狭いPgp の基質となる薬剤 ジゴキシン等」が追記となりました。

治療域の狭い」とあるので治療域の狭くないPgp の基質となる薬剤は併用注意ではありません。

<相互作用>
本剤は P 糖蛋白(P-gp)を阻害する。

<併用注意>
治療域の狭い Pgp の基質となる薬剤 ジゴキシン等

これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
本剤が P-gp を阻害し、これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。

また、ジゴキシン「等」と記載があるので、ジゴキシン以外にどういった薬剤が該当するかというと、製薬会社は下記のように例示しています。

<治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤例>
免疫抑制剤:シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス
抗悪性腫瘍剤:エベロリムス
不整脈治療剤:ジゴキシン、キニジン
抗精神病薬:ピモジド

なお、これらの具体的な増加率のデータはありません。

参考として、治療域が狭いわけではないので併用注意には該当しませんが、P-gpの基質であるプラザキサのCmaxは22%、AUCは25%増加したというデータはあります。

あくまで個人的な感想ですが、データがなく、参考としてのプラザキサで2割程度の上昇ということであれば、現状では「覚えなければならない重要な相互作用という印象ではない」と思っています。

もし、相互作用に気づいた場合は相手薬側の副作用について再度注意を促すくらいはしてもよいかと思います。

③メジコン錠(デキストロメトルファン)【併用禁忌⇒併用注意】

従来、選択性にかかわらず併用禁忌項目であった「MAO阻害剤」が「選択的 MAO -B阻害剤」として併用注意になり緩和されました。

併用禁忌の根拠としていた非選択的 MAO 阻害剤は現在国内販売されていないことから、緩和されています。

今までメジコンは「MAO阻害剤」が併用禁忌であったので、選択的 MAO -B阻害剤を使用しているパーキンソン病の患者などは併用禁忌であり、見過ごしやすいためメジコンの服薬指導の際は意識して併用薬に MAO -B阻害剤がないかを確認する必要がありましたが、今回併用注意に緩和されたことでメジコンが使用しやすくなりました。

④ラックビーR散【禁忌削除】

従来禁忌であった「牛乳に対してアレルギーのある患者」が禁忌から削除となり緩和されました。

これは牛乳由来成分(スキムミルク)を使用せずに製造することが出来るようになったためであり、すでに現在市場にある有効期限内の製品は全て牛乳由来成分(スキムミルク)不使用品になりました。

そのため、今までは服薬指導の際に牛乳アレルギーの有無を患者に聴取し薬歴に記載する必要がありましたが、この手間がなくなりました。

DSU等の解説
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