過誤注意情報【2022年初夏】

過誤注意情報【2022年初夏】

2022年初夏の類似名称の過誤注意情報をまとめました。

今回に限りませんが、今まで1つの規格だけであったものが、新たな規格を発売する際は、存在を認識しておかないと新規格の処方を従来規格で調剤してしまう過誤となるリスクが高いため注意が必要です。

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  ①【般】「ジエノゲスト錠0.5mg」  と「 ジエノゲスト錠1mg」

●【般】ジエノゲスト錠:ディナゲスト錠、ジエノゲスト錠「モチダ」 0.5/1mg

0.5mg規格は2020年に追加となった「月経困難症」を効能とする新規格です。ジェネリックは2022年6月に発売されています。

従来のディナゲスト錠は1mg規格であり、効能が「子宮内膜症」、「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」でしたが、0.5mg規格の製剤は「月経困難症」のみを効能としています。

 ②【般】「ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠・プラセボ錠」と「ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠(プラセボ無)

●【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠・プラセボ錠:ヤーズ配合錠、ドロエチ配合錠「あすか」
●【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオー ル配合錠(プラセボ無):ヤーズフレックス配合錠

2022年6月にヤーズ配合錠のジェネリックであるドロエチ配合錠「あすか」が発売となりました。これに伴い一般名マスタにも一般名が収載されましたが、ヤーズフレックス配合錠はまだジェネリックがないため、一般名マスタには収載がありません。

ヤーズ配合錠にはプラセボが含まれるため、一般名に「プラセボ」や「プラセボ」という文言が入っていればヤーズ配合錠だと判別できます。

一方、ヤーズフレックス配合錠にはプラセボが含有せずにすべて実薬であることから、「プラセボ」といった文言がはいっていれば、ヤーズフレックス配合錠だと判別できます。

【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠のように、一般名にプラセボの有無の記載がなく判別できない場合は疑義照会が必要です。

なお、自薬局のレセコンもヤーズフレックス配合錠にあたる一般名が「【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠」と判別できない不適切な表記になっています。

ちなみに、一応、薬価単位はヤーズフレックス配合錠は「錠」でヤーズ配合錠は「シート」と異なりますが、留意事項でヤーズ配合錠も1錠薬価で請求することとされているため、処方上の薬価単位での見分けもできません。

③「オゼンピック皮下注SD」と「オゼンピック皮下注」

●オゼンピック皮下注SD 0.25mg、0.5mg、1.0mg
●オゼンピック皮下注2mg

一見するとSDが付くほうが新しそうな製剤である印象を受けますが、実際はSDのほうが古い製剤です。

SDが付かないオゼンピック皮下注2mgは2022年5月に発売された製剤で、1本でダイヤルにより0.25mg、0.5mg、1.0mgの3つの用量が設定可能で複数回使用できる製剤です。毎回注射針の取り付けが必要で、注入ボタンをおして注射します。

これに対して、従来製剤であるオゼンピック皮下注SDは0.25mg、0.5mg、1.0mgの3規格あり、1回使い切り製剤であり、あらかじめ針が装着されており、皮膚に押し当てると注射されます。

オゼンピック皮下注SDは3規格あるため、もともと規格の過誤に注意が必要な製剤でしたが、今後はこれに加えてSDがつかない「オゼンピック皮下注2mg」との過誤に注意が必要です。

④ビベスピエアロスフィア28吸入とビベスピエアロスフィア120 吸入

今までは28吸入のみの規格の販売でしたが、2022年6月に120噴霧用の規格が発売されました。

120吸入の処方で従来の28噴霧を調剤してしまう過誤が想定されるので注意が必要です。

なお、28吸入と120 吸入では操作が異なる部分があり、未使用の吸入器をはじめて使用するときは、吸入準備操作 (「振る→空噴霧」で1セット) を、28吸入製剤では合計で4度、120吸入製剤では合計で2度行うことされています。

なお、120 吸入では製剤に付属する指導せんに再度吸入準備操作が必要になるケースの記載があり、28吸入には記載がありませんが、これは単なる記載不備であり、実際は同様の扱いが必要となります。

また、28吸入を1週間で使い切る場合は洗浄不要ですが、120 吸入は週1回洗浄が必要で洗浄後は2度の吸入準備操作 (「振る→空噴霧」で1セット)が必要となります。

⑤ビレーズトリエアロスフィア56 吸入とビレーズトリエアロスフィア120 吸入

今までは56吸入の規格のみの販売でしたが、2022年6月に120噴霧用の規格が発売されました。また、これに伴いデバイスの外観デザインも変更となっています。

120吸入の処方で従来の56吸入を調剤してしまう過誤が想定されるので注意が必要です。

なお、ビベスピ同様に未使用の吸入器をはじめて使用するときは、吸入準備操作 (「振る→空噴霧」で1セット) を、56吸入製剤では合計で4度、120吸入製剤では合計で2度行うことされています。洗浄も同様です。

過誤対策
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