2020年12月分 DSUのまとめ

2020年11月分 DSUのまとめ

かなり遅くなりましたが2020年12月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。パソコンが壊れて買いなおしたり、日経DIクイズの執筆をしたりしていたので対応が遅れました、すいません(-_-;)

今回はプラビックスやエフィエントのアスピリンとの併用についての記載の改訂は薬剤師として把握しておく必要があるかと思います。

スポンサーリンク

①プラビックス(クロピドグレル)・エフィエント(プラスグレル)

「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患の場合」の効能の「用法及び用量に関連する注意」に従来記載されていた「アスピリン(81~100mg/日)と併用すること」という記載が、下記に変更となりました。

<用法及び用量に関連する使用上の注意(経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患の場合)>
抗血小板薬二剤併用療法期間は、アスピリン(81〜100mg/日)と併用すること。抗血小板薬二剤併用療法期間終了後の投与方法については、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。

ここでいう最新のガイドラインとは現時点では「2020 年 JCS ガイドライン フォーカスアップデート版冠動脈疾患患者における抗血栓療法」のことをさしています。(下記の日本循環器学会のホームページ上で無料公開されています)

添付文書の改訂内容の字面だけではわからないかと思いますが、認識しておくべきことは従来では抗血小板薬二剤併用療法期間終了後に単剤として残す薬剤はアスピリンであるのが通常でしたが、最近はプラビックスなどのP2Y12受容体拮抗薬を単剤として残す投与方法も広まってきたことです。

②プラビックス(クロピドグレル)

上記の改訂に加えて、プラビックスでは併用注意に「強力な CYP2C19 誘導薬 リファンピシン」が追加となりました。

製薬会社に確認したところ、リファンピシンとの併用で活性代謝物のAUCが4倍になったという報告があるようです。

ただ、リファンピシンもプラビックスも相互作用リスクの少ない代替薬がないわけではないですが、変更提案をしずらい薬剤ではあるので、対応に苦慮しますが、出血リスクが高まるおそれがあるということを伝える意味合いで疑義照会はしておいたほうがいい気がします。

患者に対しても、プラビックス服用中にリファンピシンが追加になった場合は、再度出血の副作用に注意するように伝える対応は必要かと思います。(リファンピシン服用中にプラビックスが追加となった場合はプラビックス初回なので、相互作用にかかわらず出血の注意説明はするかと思います)

<併用注意>
強力な CYP2C19 誘導薬 リファンピシン

本剤の血小板阻害作用が増強されることにより出血リスクが高まるおそれがある。リファンピシン等の強力な CYP2C19 誘導薬との併用は避けることが望ましい。

クロピドグレルは主に CYP2C19 によって活性代謝物に代謝されるため、CYP2C19 酵素を誘導する薬剤との併用により本剤の活性代謝物の血漿中濃度が増加する。

③ベネクレクスタ錠(ベネトクラクス)

再発又は難治性の慢性リンパ性白血病の薬剤であるベネクレクスタの相互作用にノクサフィル(ポサコナゾール)が追加となりました。

「ベネクレクスタ錠(用量漸増期)」では併用禁忌、「ベネクレクスタ錠(維持投与期)」では併用注意となります。
なお、相手薬剤側の添付文書も今回改訂されています。

「ベネクレクスタ錠」は処方頻度は少ないかと思いますが、「漸増期は併用禁忌」で、「維持期は併用注意」となる薬剤が存在するという極めて珍しい薬剤であるため、こういった薬剤が存在するということは認識しておいたほうがよいです。

維持期は併用注意となりますが、併用注意でも併用する場合はベネクレクスタ錠の用量を100mg以下に減量(維持期は400mgが通常量のため1/4以下に相当)がベネクレクスタ錠側の添付文書の減量基準として記載されているため、実質的には併用ができないと考えたほうがよいかと思います。

なお、クラリスロマイシンは以前からベネクレクスタの相互作用で同様の記載がされています。

<併用禁忌>
用量漸増期における強いCYP3A阻害剤(リトナビル、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、コビシスタット含有製剤)

<併用注意>
維持投与期における強いCYP3A阻害剤(クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール等)

留意点

●併用注意に記載があるからと、併用禁忌(用量漸増期)を見落とす過誤が想定される。
●併用注意の場合でも、併用する場合はベネクレクスタ錠の用量を100mg以下に減量(維持期は400mgが通常量のため1/4以下に相当)が添付文書の減量基準として記載されているため、実質的には併用が難しい

④エクア(ビルダグリプチン)

従来、「重要な基本的注意」に記載されていた「本剤とインスリン製剤との併用投与の有効性及び安全性は検討されていない」という記載が削除されました。

これは国内製造販売後臨床試験の結果で、インスリン製剤との併用投与の有効性及び安全性が確認されたことが理由となります。

⑤フロリードゲル経口用(ミコナゾール)

併用禁忌にラツーダ錠が追記となりました。

なお、ラツーダ側の添付文書では従来より併用禁忌となっています。

DSU等の解説
スポンサーリンク
Suzukiをフォローする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
関連記事
薬局薬剤師ブログ 服薬指導の覚書

コメント

タイトルとURLをコピーしました