グラナテック点眼の服薬指導

グラナテックの服薬指導
今回は2014年12月に発売された緑内障・高眼圧症に対する治療薬新薬であるグラナテック点眼液の服薬指導についてまとめました。結膜充血がかなりの頻度で現れることと長期投与でアレルギー性結膜炎・眼瞼炎の発現頻度が高くなる可能性のある点に注意が必要な薬剤です。

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グラナテック点眼の基本情報

服薬指導難度
【効能・効果】他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合の緑内障・高眼圧症
【用法・用量】1日2回
【名前の由来】緑内障患者(GLAucoma)の房水動態を元の自然な状態(NAture)に近づける新しい技術(TEChnology)より命名されています。

【特徴】
・Rhoキナーゼ阻害作用により房水の流出を促進する新規緑内障・高眼圧症治療薬
・他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合に使用可能
・結膜充血が69%と最も多い副作用
・長期投与においてアレルギー性結膜炎・眼瞼炎の発現頻度が高くなる傾向が認められている。

【作用機序】平滑筋細胞の収縮など様々な生理機能を担うRhoキナーゼを阻害することで、シュレム管を介する主流出路からの房水の流出を増加させることで眼圧を下げると推定されている。

【指導せんあり】
充血、結膜炎、眼瞼炎の注意が記載されています。充血に関しては点眼のたびに起こるが1〜2時間で消えてしまう旨の記載がされており一度目を通しておくとよいでしょう。必須とまでは言えませんがあると服薬指導の際に役に立つので取り寄せておくとよいと思います。

グラナテック点眼の服薬指導で確認すること・伝えること

グラナテックの服薬指導で確認すること・伝えることをまとめました。確認する項目は少ないですが、伝えることに関する項目はいくつかあります。

グラナテック点眼の服薬指導で確認すること

① 他の緑内障治療薬の使用歴の有無

グラナテックは第一選択薬にはならないため他の緑内障治療薬の使用歴、併用を確認します。なお、ラタノプロスト点眼液、チモロール点眼液に関してはそれぞれ第 III 相併用試験において併用されています。

②コンタクトの有無

添加物としてベンザルコニウムを含むためソフトコンタクトレンズ装着時の点眼は避けることとの記載があります。

グラナテック点眼の服薬指導で伝えること

①結膜充血・結膜炎、眼瞼炎の副作用の注意

副作用頻度に関しては結膜充血が69%と最も多く次いで結膜炎、眼瞼炎がともに10%となっています。(副作用等発現状況の概要より)また、結膜充血は点眼時に一過性に発現するが持続する場合には注意することと記載があります。

添付文書のみだと具体的にどう注意を促せばよいかわかりませんが指導せんには記載がありました。指導せんには次の点眼まで充血が消えない場合や目の痒み、まぶたの赤みが続く場合は相談するように記載があるためこれを参考とします。

充血に関しては点眼のたびに起こるが1〜2時間で消えてしまう旨の記載がされているので充血だけ「次の点眼まで」と記載されていると考えられます。なお、Rho キナーゼ阻害作用は、血管を拡張させることが報告されており、この結膜充血は、この薬理作用に基づく変化と考えられています。

②点眼の注意【適用上の注意】

点眼の際に原則として仰向けの状態になり点眼後1~5分間閉瞼し涙嚢部を圧迫すること記載があります。これは涙嚢部の圧迫を行うことにより、本剤の鼻涙管への流出による鼻粘膜からの吸収を防ぎ、全身性の副作用発現の可能性を軽減できると考えられることから設定されています(インタビューフォームより)。

なお、指導せんには「点眼後は目を軽く閉じて1~5分間目頭の下を指で押さえてください」とだけ記載があり、なぜか仰向け位の記載はされてませんが添付文書上は仰向け位のため注意が必要です。

③ソフトコンタクトレンズ装着時の点眼は避けること(コンタクト着用の場合)

ベンザルコニウムを含むため記載があります。

グラナテックの服薬指導薬歴例

S)緑内障で今まで使っていた薬に追加となりました。
O)コンタクトなし
A)充血がでやすいが数時間で改善すること説明。次の点眼まで続く場合や目の痒み、まぶたの赤みが続くような場合は受診指示。点眼の際は仰向け位で点眼後数分閉眼し目頭の下を押さえるよう説明。
P)副作用確認

新薬点眼薬薬剤別服薬指導
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