2019年12月分 DSUのまとめ+効能追加情報

2019年12月分 DSUのまとめ+効能追加情報

2019年12月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回はリピディルの腎障害の禁忌改訂が重要なところかと思います。

また、効能追加情報もまとめました。 オフェブ、オルケディア、シムジアなどの薬剤で効能追加があったので採用がある場合は把握しておく必要があります。

スポンサーリンク

① アーリーダ(アパルタミド)【重要な基本的注意・重大な副作用】

「重要な基本的注意」と「重大な副作用」に間質性肺疾患に関する内容が追記となりました。

<重要な基本的注意>
間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。

また、患者に副作用について説明するとともに、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明すること。

<重大な副作用>
間質性肺疾患(頻度不明):間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。

②イクスタンジ(エンザルタミド)【重要な基本的注意・重大な副作用】

「重要な基本的注意」と「重大な副作用」に間質性肺疾患に関する内容が追記となりました。

<重要な基本的注意>
間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。

また、患者に副作用について説明するとともに、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明すること。

<重大な副作用>
間質性肺疾患(頻度不明):間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと

③リピディル・トライコア(フェノフィブラート)【禁忌改訂】

腎障害の禁忌項目が改訂となり、従来の「中等度以上の腎機能障害のある患者(目安として血清クレアチニン値が 2.5mg/dL 以上)」から「血清クレアチニン値が 2.5mg/dL 以上又はクレアチニンクリアランスが 40mL/min 未満の腎機能障害のある患者」に変更となり、クレアチニンクリアランスの具体的な値が明記されました。

従来の「中等度以上の腎機能障害」では少なくともクレアチニンクリアランスが50を切ってた場合は疑義照会対象と考えられましたが、今回の改訂で40と明記されるようになったため、実際には禁忌がやや緩和されたと捉えられます。

④ミニリンメルトOD錠60μg・120μg・240μg【併用注意】

併用注意に下記が追加となりました。

低ナトリウム血症を起こすおそれがある薬剤
チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、チアジド系類似剤(インダパミド等)、ループ利尿剤(フロセミド等)、スピロノラクトン、オメプラゾール等

なお、「男性における夜間多尿による夜間頻尿」を効能とするミニリンメルトOD錠の新製剤である25µg及び50µではチアジド系利尿剤、チアジド系類似剤、ループ利尿剤は併用禁忌となっています。

これは国内臨床試験において、チアジド系利尿剤、チアジド系類似剤又はループ利尿剤を併用した患者に、軽度の血清ナトリウム値の低下が認められたこと、また海外ではデスモプレシン酢酸塩水和物とループ利尿剤が併用禁忌であること、高齢者に使用するケースが多いため安全性に配慮したことなどから併用禁忌に設定されています。

スピロノラクトン、オメプラゾールは新製剤でも併用注意であり、これに合わせた改訂となります。

⑤チラーヂンS(レボチロキシンナトリウム)【併用注意】

併用注意に下記が追加となりました。

アーガメイト(ポリスチレンスルホン酸カルシウム)、ケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)
同時投与により本剤の吸収が遅延又は減少することがあるので、併用する場合には本剤との投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること。

カルバマゼピン、フェノバルビタール
これらの薬剤は本剤の血中濃度を低下させることがあるので、併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること。

アミオダロン
アミオダロンは甲状腺ホルモン値を上昇又は低下させるおそれがあるので、併用する場合には甲状腺ホルモン値に注意し、慎重に投与すること。

経口エストロゲン製剤(結合型エストロゲン、エストラジオール、エストリオール等)
経口エストロゲン製剤は甲状腺ホルモン値を低下させるおそれがあるので、併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること

⑥ブリリンタ(チカグレロル)【併用注意】

併用注意にモルヒネが追加となりました。

本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。 モルヒネの消化管運動抑制作用に関連すると考えられる。

モルヒネを投与された患者においてチカグレロルの吸収が遅延し、チカグレロル及びAR-C124910XXのAUCはそれぞれ36%及び37%低下した(外国人データ)。

⑦ベポタスチンジェネリック製剤【効能追加】

従来ではジェネリック製剤には小児適応がありませんでしたが、今回の改訂で先発品同様に「小児」に対する効能が追加となりました。

⑧オフェブ(ニンテダニブ)【効能追加】

「全身性強皮症に伴う間質性肺疾患」の効能が追加となりました。

⑨オルケディア(エボカルセト)【効能追加】

「副甲状腺癌における高カルシウム血症、副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症」の効能が追加となりました。

従来の効能の「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」とは、開始用量・1日回数・1回最大量などが異なり、また、もともと複雑な記載の「用法及び用量に関連する注意」も効能により異なるため注意が必要です。

そのため、今後オルケディアが処方された場合は、まずどちらの効能での使用となるのかの確認が必要となります。

⑩シムジア皮下注200mgシリンジ/オートクリックス【効能追加】

「既存治療で効果不十分な下記疾患:尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」の効能が追加となりました。

用法・用量も従来の「関節リウマチ」とは異なるため、今後、シムジアが処方された場合は、まずどちらの効能での使用となるのかの確認が必要となります。

⑪ボトックス注用【効能追加】

薬局で調剤することはないかと思いますが、ボトックスに「既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁、既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない神経因性膀胱による尿失禁」の効能が追加となりました。

DSU等の解説
スポンサーリンク
Suzukiをフォローする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
関連記事
薬局薬剤師ブログ 服薬指導の覚書

コメント

タイトルとURLをコピーしました