今回はメジャーな薬剤であるガスモチンの服薬指導をまとめました。ガスモチンは世界初の選択的セロトニン5-HT4受容体アゴニストです。
慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)に関して食前でも食後でも投与することができます。また、バリウム注腸X線造影検査前処置の補助の効能も有しています。
ガスモチンは禁忌の項目もないため服薬指導において確認することは特になく、服薬指導が簡便な薬剤の一つです。そのため、服薬指導において伝えることも特段ないと思われがちですが、肝障害に関して伝える必要がある点に注意が必要です。
ガスモチンの概要
服薬指導難度
効能及び用法・用量
1.慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)
1日15mgを3回に分けて食前または食後に経口投与する。
2.経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助
経口腸管洗浄剤の投与開始時に20mgを経口腸管洗浄剤(約180mL)で経口投与する。
また、経口腸管洗浄剤投与終了後、モサプリドクエン酸塩として20mgを少量の水で経口投与する。
名前の由来
胃の運動を意味するGastric Motilityから命名されています。
ガスモチンの服薬指導で伝えること
① 肝障害の注意
重大な副作用として劇症肝炎,肝機能障害,黄疸が報告されています。患者に対し倦怠感、食欲不振、尿濃染、眼球結膜黄染等の症状があらわれた場合は、本剤を中止し、医師等に連絡するよう指導することと記載されています。
添付文書上は黄疸に関しては眼球結膜黄染等という記載ですが、皮膚の黄染に関しても注意を促したほうがよいでしょう。
ガスモチン服薬指導薬歴例
S)胃炎です。
O)併用なし
A)
万一、だるさ、食欲低下、尿の色が濃くなる、皮膚や白目が黄色くなる場合はすぐに連絡し受診指示。
P)胃炎症状確認
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