新薬承認情報【平成27年9月分】

新薬承認
今回は平成27年9月分の新薬承認品目のなか、薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。今回は数が多いので把握するのが大変なのですが、ロコアテープという「1日貼付枚数が2枚を超えないこと」と珍しい規定のされているNSAIDの貼り薬は把握しておきたい薬剤のひとつです。

なお、平成27年9月分の効能追加情報に関しては前回の記事をご参照ください。

効能・効果追加情報【平成27年8〜9月分】
今回は平成27年8〜9月分の効能・効果が追加となった薬剤のうち、薬局薬剤師に関係がある薬剤をまとめました。今回の注目すべき点はイクセロンパッチ、リバスタッチパッチの用法・用量追加です。新しい用法で投与する場合は慎重投与の項目に該当しないこと...
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【平成27年9月分】新薬承認品目

①ゼビアックスローション2%(オゼノキサシン)

新規のキノロン系抗菌薬であるオゼノキサシンを成分とする表在性皮膚感染症及びざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)を効能・効果とする薬剤です。用法は1日1回となります。

②スピオルトレスピマット28吸入・60吸入(チオトロピウム/オロダテロール)

LAMA/LABA配合COPD治療薬です。LAMAとしてスピリーバで使われているチオトロピウム、LABAとしては新規の成分であるオロダテロールを使用しています。

スピリーバレスピマットと同様に成人には1回2吸入となっているため注意が必要です。

③イフェクサーSRカプセル37.5mg・75mg(ベンラファキシン)

うつ病・うつ状態を効能・効果とする1日1回投与の徐放性カプセル製剤のSNRIです。現時点の添付文書では尿閉も緑内障も禁忌ではないようです。(トレドミンは尿閉禁忌、サインバルタはコントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者)

④ピートルチュアブル錠250mg・500mg(スクロオキシ水酸化鉄)

透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善を効能とするリン吸着薬(カルシウム非含有・非ポリマー性)です。

Caを含有しないため、高Ca血症の懸念がなく、また非ポリマー性であるため、便秘や腸閉塞等の重篤な胃腸障害の発現リスクが低いとされています。また、水分制限が必要な透析患者に適した水無しで服用可能なチュアブル錠となっています。

⑤ザガーロカプセル0.1mg・0.5mg(デュタステリド)

前立腺肥大症治療薬であるアボルブと同一有効成分とした男性型脱毛症治療薬です。アボルブと同様に経皮吸収されることから、女性や小児は軟カプセルから漏れた薬剤に触れないこととされています。

⑥マリゼブ錠25mg・12.5mg(オマリグリプチン)

ザファテック(トレラグリプチン)に続く、国内2剤目の週1回投与のDPP-4阻害剤であり臨床試験ではジャヌビアと同様の有効性が確認されています。

⑦エクメット配合錠LD・HD(ビルダグリプチン/メトホルミン)

DPP-4阻害剤であるビルダグリプチン(エクア)とメトホルミンの配合剤です。DPP-4阻害剤とメトホルミン製剤の配合剤は国内初となります。

⑧ロコアテープ(エスフルルビプロフェン/ハッカ油)

既承認のフルルビプロフェンの活性本体であるエスフルルビプロフェンと溶解補助剤のハッカ油との配合貼付剤です。

経皮吸収性及び標的組織移行性を高めた貼付剤であり、1日貼付枚数は1日2枚を超えないこととされています。これは2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達するため設定されています。

⑨ヴィキラックス配合錠(オムビタスビル水和物/パリタプレビル水和物/リトナビル)

インターフェロンの併用を必要としないジェノタイプ1のC型肝炎治療薬です。2種類の直接作用型抗ウイルス剤及びリトナビルを含有し1日1回12週投与で治療可能な経口C型肝炎治療薬。

なお、インターフェロンを併用しない経口薬(ジェノタイプ1のC型肝炎治療薬としては他にダクルインザ(ダクラタスビル)及びスンベプラ(アスナプレビル)やハーボニー(レジパスビル/ソホスブビル)が発売されています。

新薬DSU等の解説
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