今回は低血圧治療剤であるメトリジン(ミドドリン)の服薬指導をまとめました。
メトリジンは確認することも伝えることも少ないため、薬効説明だけで渡してしまいがちですが、「甲状腺機能亢進症」が禁忌であるので、甲状腺疾患の有無を確認する必要があるため注意が必要です。
メトリジンの概要
服薬指導難度
効能
本態性低血圧、起立性低血圧
包装・規格
メトリジン錠2mg:PTP 100 錠、PTP 500 錠、バラ 500 錠
メトリジンD錠2mg:PTP100錠、PTP500錠
用法・用量
成人にはミドドリン塩酸塩として、通常 1 日4mg を 2 回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減する。ただし、重症の場合は 1 日 8 mg まで増量できる。
小児にはミドドリン塩酸塩として、通常 1 日4mg を 2 回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、 1 日最高量は 6 mg とする。
名前の由来
化学名の別名 1-(2’,5’-dimethoxyphenyl)-2-glycinamidoethanol hydrochlorideより命名されています。
メトリジンの服薬指導で確認すること
①甲状腺疾患の有無【禁忌】
「甲状腺機能亢進症」が禁忌となるので確認します。
甲状腺機能亢進症の患者は、ノルエピネフリン等と類似の作用を持つ交感神経刺激薬により過度な反応を起こす可能性が知られている。本剤は、薬理学的にこれらの薬剤と同様な反応を起こすおそれがある。
メトリジンの服薬指導で伝えること
①高血圧の注意【重要な基本的注意】
臥位(がい:寝た状態)血圧が上昇した症例が報告されているので、動悸、頭痛、血圧上昇、寝た状態での血圧上昇が見られる場合は受診するよう説明します。
外国において、神経原性起立性低血圧に対する二重盲検試験が実施された。臥位血圧が過度に上昇した症例が報告されているので注意すること。
動悸、頭痛などの症状は臥位血圧の上昇による場合が考えられる。臥位血圧の上昇は本剤の減量、または頭部を高くして寝ることで調節できるが、臥位高血圧が続く場合には投与を中止すること。
メトリジンの服薬指導薬歴例
S)低血圧で立ちくらみがある。
O)甲状腺疾患なし
A)動悸、頭痛、血圧上昇、寝た状態ての血圧上昇がでる場合は受診指示。
P)副作用確認
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