効能・効果追加情報【2017年8月分】

効能・効果追加情報【2017年8月分】
今回は2017年8月の効能追加情報のなかから、薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回は「再生不良性貧血」や「高安動脈炎、巨細胞性動脈炎」といった比較的まれな疾患に対する効能追加が目立ちました。

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①レボレード錠(エルトロンボパグ オラミン)

「再生不良性貧血」の効能が追加となりました。

「抗胸腺細胞免疫グロブリンで未治療の場合」と「既存治療で効果不十分な場合」とで用量が異なります。

<抗胸腺細胞免疫グロブリンで未治療の場合>
抗胸腺細胞免疫グロブリンとの併用において、通常、成人には、エルトロンボパグとして75mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

<既存治療で効果不十分な場合>
通常、成人には、エルトロンボパグとして初回投与量25mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減する。また、1日最大投与量は100mgとする。

②ネオーラル(シクロスポリン)

従来は「再生不良性貧血」に対しては「重症」の場合のみしか効能がありませんでしたが、今回の改訂で「重症以外の再生不良性貧血」に対しても使用可能となりました。

③アクテムラ皮下注・オートインジェクター(トシリズマブ)

「既存治療で効果不十分な高安動脈炎、巨細胞性動脈炎」の効能が追加となりました。

「原則として、副腎皮質ステロイド薬による適切な治療を行っても疾患活動性を有する場合、副腎皮質ステロイド薬による治療の継続が困難な場合に投与すること」とされています。

高安動脈炎と巨細胞性動脈炎は、ともに国の難病に指定されています。国内の患者数は 7 千人ほどと推定されています。

高安動脈炎と巨細胞性動脈炎からなる大型血管炎は、血管の炎症により動脈狭窄、動脈瘤などが発現し、病変部位によっては脳梗塞、弁閉鎖不全症、腎機能低下などの重篤な臓器障害をきたすことが知られています。

高安動脈炎(大動脈炎症候群)とは

高安動脈炎は大動脈やそこから分かれている大きな血管に炎症が生じ、血管が狭窄したり閉塞したりして、脳、心臓、腎臓といった重要な臓器に障害を与えたり、手足が疲れやすくなったりする原因不明の血管炎です。

炎症が生じた血管の部位によって様々な症状がでます。わが国の高安右人教授が1908年に初めて報告しましたので高安動脈炎と呼ばれています。

かつて大動脈炎症候群とも言われましたが、病変は大動脈以外の全身に生ずることがあるため、現在は高安動脈炎と呼んでいます。

(難病情報センターより引用)

巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)とは

巨細胞性動脈炎は、血管炎と呼ばれる病気のグループに含まれ、高齢の方に起こり、主に頭部の動脈がつまって症状を起こす、珍しい病気です。

血管を顕微鏡で観察すると巨細胞という核をたくさん持つ巨大な細胞がみられるため、巨細胞動脈炎と名づけられました。

別名として、側頭動脈炎、ホートン病などがありますが、「巨細胞性動脈炎」に統一されています。

(難病情報センターより引用)

④ビムパット錠(ラコサミド)

従来は「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」に対して、併用療法として承認されていましたが、今回の改訂で単剤で用いることが可能となりました。

そのため、今後処方が増えていく可能性があります。

DSU等の解説
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