今回は2016年6月分のDSUから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
ビスホスホネート製剤の「外耳道骨壊死」が主な内容となります。【重要な基本的注意】にも「指導すること」と明記されたので服薬指導時に必ず伝える必要があります。
また、2016年5月分の効能・効果追加品目もまとめました。調剤薬局で扱う頻度が多いフェブリクに「がん化学療法に伴う高尿酸血症」の効能が追加となっています。
DSU掲載品目【2016年6月】
①イーケプラ(レベチラセタム)【重大な副作用】
重大な副作用に「急性腎不全」が追加となりました。
「急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」と記載されました。
添付文書には上記の記載のみで急性腎不全の具体的な症状の記載はありません。
こういった場合は同薬品の患者向医薬品ガイドを参考とするとよいかと思います。急性腎不全の症状として以下のものが挙げられています。
「からだがだるい、からだのむくみ、疲れやすい、頭痛、意識の低下、眼がはれぼったい、息苦しい、尿がでない、尿量が減る」
②ビスホスホネート製剤【重大な副作用・重要な基本的注意】
ビスホスホネート製剤の重大な副作用に外耳道骨壊死が追加となりました。また、【重要な基本的注意】に以下の記載が追記となりました。
「ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。」
薬剤師の対応としては、初回指導時に耳の痛みや耳漏が続く場合は耳鼻咽喉科を受診することを説明し、その際はビスホスホネートの服用も伝えることも併せて説明しておく必要があるかと思います。
なお、しばらくの間は今まで使用してる患者にも、最近上記の報告があったので、と指導する必要があるかと思います。
効能・効果追加品目【2016年5月分】
①セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)
ループス腎炎の効能・効果が追加となりました。
②フェブリク(フェブキソスタット)
がん化学療法に伴う高尿酸血症の効能・効果が追加となりました。
用法・用量は「60mgを1日1回」です。また、用法及び用量に関連する使用上の注意には以下の2点の記載があります。
1.本剤は、がん化学療法開始1~2日前から投与を開始すること。
2.臨床症状及び血中尿酸値をモニタリングしながら、化学療法開始5日目まで投与すること。なお、患者の状態に応じて、投与期間を適宜延長すること。
今後、フェブリク60mg1日1回で日数が6-7日程度の処方がきた場合はこの効能である可能性があります。
③レミケード点滴静注(インフリキシマブ)
乾癬の用法・用量が一部変更となりました。
従来では一部の患者で同剤使用中に効果が十分維持できなくなる課題がありましたが、この改訂で6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、投与量の増量や投与間隔の短縮が可能となりました。
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