2015年11月分 DSUのまとめ・解説

DSU11月
今回は2015年11月分のDSUから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。マグネシウム製剤の高マグネシウム血症に関する内容が重要な改訂となります。

スポンサーリンク

【2015年11月】DSU掲載品目

①レミニール(ガランタミン)【重大な副作用追加】

重大な副作用として横紋筋融解症が追加となりました。症状として「筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等」の記載がされています。

添付文書には赤褐色尿の記載がありませんが、レミニールの患者向け医薬品ガイドには赤褐色尿の記載があります。

尿の色は重要な症状の一つであるため、筋肉痛や脱力感とともに併せて説明するのがよいでしょう。

②マグラックス等(酸化マグネシウム製剤)【重要な基本的注意改訂】

重要な基本的注意が改訂となりました。

高マグネシウム血症が出ることがあり、特に便秘症の患者では腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されているので「嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者に指導すること」と記載されました。

薬剤師としての具体的な対応としては前回の記事にまとめているためご参照頂ければと思います。

酸化マグネシウム製剤の高マグネシウム血症の対応
マグラックスなどの酸化マグネシウム製剤に関して2015年10月に製薬企業からの医薬品の適正使用等に関するお知らせとして高マグネシウム血症に関する注意喚起がされました。今回はその内容と薬剤師としての対応をまとめました。 ます、以下が...

③フェノバール等(フェノバルビタール)

併用禁忌にスンベプラ(アスナプレビル)、ダクルインザ(ダクラタスビル)、バニヘップ(バニプレビル)、オプスミット(マシテンタン)が追加となりました。

アスナプレビル、ダクラタスビル、バニプレビルはC型肝炎を効能としており、マシテンタンは肺動脈性肺高血圧症を効能としています。従来より併用禁忌であるものも含めてフェノバールの併用禁忌を整理すると薬効としては以下の4点であることがわかります。

① 抗真菌薬
ブイフェンド(ボリコナゾール)

②HIV-1感染症
エジュラント(リルピビリン)

③C型肝炎
スンベプラ(アスナプレビル)、ダクルインザ(ダクラタスビル)、バニヘップ(バニプレビル)

④肺高血圧
アドシルカ(肺高血圧症を適応とするタダラフィル)、オプスミット(マシテンタン)

薬剤師としての対応としては上記の併用禁忌に該当しないかを確認する必要があります。

これは併用薬の名前が明らかである場合はもちろんてすが、患者に名前のわからない併用薬がある際には何の疾患に使っている薬かを聴取し併用禁忌でないかを確認する必要あるということです。

フェノバールの場合は名前不明の併用薬が「抗真菌薬、HIV、C型肝炎、肺高血圧症の薬でないか」を聴取し、これらの薬効に該当する場合は詳細を確認して併用禁忌の薬剤でないかを否定しなければなりません。

④アレビアチン等(フェニトイン)

併用禁忌にスンベプラ(アスナプレビル)、ダクルインザ(ダクラタスビル)、バニヘップ(バニプレビル)、オプスミット(マシテンタン)、ゾバルディ、ハーボニー配合錠(ソホスブビル)が追加となりました。

従来より併用禁忌であるものも含めアレビアチンの併用禁忌をまとめると薬効としては以下の3点となります。

①HIV-1感染症
エジュラント(リルピビリン)

②C型肝炎
スンベプラ(アスナプレビル)、ダクルインザ(ダクラタスビル)、バニヘップ(バニプレビル)、ゾバルディ、ハーボニー配合錠(ソホスブビル)

③肺高血圧
アドシルカ(肺高血圧症を適応とするタダラフィル)、オプスミット(マシテンタン)

先程のフェノバールと似ていますが、アレビアチンにはソホスブビルというC型肝炎の薬も併用禁忌なことと、抗真菌薬のブイフェンドが併用禁忌でない点が異なっています。

名前不明の併用薬がある場合は「C型肝炎、肺高血圧症の薬でないか」を確認する必要があります。

④トミロン、フロモックス、メイアクト、オラペネム(ピボキシル基を有する抗生物質)

細粒などの小児用製剤では重要な基本的注意に、錠剤では小児等への投与の項目に「血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないこと」と追記されました。

カルニチンが低下する先天性代謝異常の具体的な名称の記載がないため、調べる必要があります。

カルニチン欠乏症の治療で使われるエルカルチンの販売で知られている大塚製薬のホームページではカルニチン欠乏症を発現する原因の先天代謝異常として、カルニチントランスポーター異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症などが挙げられています。
(引用:https://www.otsuka.co.jp/company/release/2013/0222_01.html)

また、上記の代謝異常症の細かい疾患名としては、◯◯欠損症、◯◯尿症、◯◯酸血症といった名称のものが多いため、このような場合も詳細を確認して、カルニチンが低下する先天性代謝異常に該当するか判断する必要があります。

また、併用薬にエルカルチンがある場合はこれらの疾患に該当する可能性があるので詳細の確認し、該当する可能性がある場合はピボキシル基を含まない抗生物質に変更が必要です。

ピボキシル基を含まない代替薬を考える

トミロン、フロモックス、メイアクトの場合は代替として同じ系統のバナンやセフゾンが候補となるかと思います。

一方、オラペネムはカルバペネム系であるため、同じ系統の抗生物質は注射剤のみとなります。

経口の代替としては何の疾患のどの菌を対象としているかにもよりますが、オゼックス細粒などは候補の1つとなるかと思います(オゼックスが効かないのでオラペネムが処方される場合のほうが多いかもしれませんが・・・)。

なお、これらの疾患は「先天性」であるため、実際には初回来局時のアンケートでの病歴などの項目で遭遇する機会が多いかと考えられます。これらの疾患名がアンケート用紙に記載されていたら、他の薬剤師も把握できるようにピボキシル基の抗生物質を避ける旨を薬歴の申し送り事項などに残すなどの対応ができるとよいかと思います。

DSU等の解説
スポンサーリンク
Suzukiをフォローする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
関連記事
薬局薬剤師ブログ 服薬指導の覚書

コメント

タイトルとURLをコピーしました