新薬承認情報【2023年夏】+効能追加情報

新薬承認情報【2023年夏】+効能追加情報

2023年夏の新薬承認品目と効能追加品目のなかから薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。

パルモディアの徐放性製剤が発売されることはすべての薬剤師が把握しておいたほうがよいかと思います。

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①コレチメント錠9mg(ブデソニド)

「活動期潰瘍性大腸炎(重症を除く)」を効能とするブデソニド(ゼンダコートやパルミコートと同成分)が、潰瘍性大腸炎の標的部位である“大腸”に送達され、持続的に放出されるよう設計された1 日 1 回投与の経口DDS製剤です。

用法は1日1回となっています。ステロイドなので朝となっているようです。

名称の由来は特にありません。

<用法及び用量>
通常、成人にはブデソニドとして9mgを1日1回経口投与する。

②リットフーロカプセル50mg(リトレシチニブ)

「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」を効能とするJAK3/TEC ファミリーキナーゼ阻害剤です。

ヤヌスキナーゼ(JAK)も阻害するので警告や禁忌項目、重要な基本的注意などが他のヤヌスキナーゼ阻害薬と同様に非常に多くなっています。

名称は日常生活(life)をフルに楽しむ(full)ことから命名されています。

<用法及び用量>
通常、成人及び12歳以上の小児には、リトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与する

③パルモディアXR錠0.2mg/0.4mg(ペマフィブラート)

「高脂血症(家族性を含む)」を効能とする1日 1 回投与のパルモディアの徐放性製剤です。

1日1回で済むので今後はこちらが主流になる印象があります。従来製剤では0.1mgの単一規格ですが、XRは0.2mgと0.4mgが存在するので規格間違いの過誤に注意が必要です。

<用法及び用量>
通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.2mgを1日1回経口投与する。ただし、トリグリセライド高値の程度により、1回0.4mgを1日1回まで増量できる。

<用法及び用量に関連する注意>
急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、投与にあたっては患者の腎機能を検査し、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の場合は本剤投与の適否を慎重に判断し、投与する場合には本剤の用量は1回0.2mgを1日1回とすること。

④ソグルーヤ皮下注【効能追加】

「成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)」を効能とするソグルーヤ皮下注に「骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症」の効能が追加となりました。

なお、これに伴い従来の5mg・10mgに加えて15mg規格も新たに発売されます。

⑤フェブリク(フェブキソスタット)【効能追加】

高尿酸血症、痛風の効能において小児用量が追加となりました。

なお、5mg投与の場合は10mgを半渇する必要があるため、10mg錠に新たに割線が追加されます。

<用法及び用量 小児>
通常、小児には体重に応じてフェブキソスタットとして下記の投与量を1日1回経口投与する。

体重40kg未満:通常、1日5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回20mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回30mgとする。

体重40kg以上:通常、1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。

<用法及び用量に関連する注意 小児>
尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、本剤の投与は体重に応じて5mg(40kg未満)又は10mg(40kg以上)1日1回から開始し、投与開始から6週間以降に10mg(40kg未満)又は20mg(40kg以上)1日1回、投与開始から14週間以降に20mg(40kg未満)又は40mg(40kg以上)1日1回投与とするなど、徐々に増量すること。なお、増量後は経過を十分に観察すること。

⑥イーケプラドライシロップ(レベチラセタム)【効能追加】

「部分発作(二次性全般化発作を含む)」における用法及び用量の変更が承認され、生後1ヵ月以上4歳未満の小児への投与が可能となりました。

⑦バクニュバンス水性懸濁注シリンジ(沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン)【効能追加】

2023年4月に発売された15価肺炎球菌結合型ワクチンであるバクニュバンスに小児の効能が追加されました。

⑧デュピクセント皮下注(デュピルマブ)【効能追加】

「既存治療で効果不十分な結節性痒疹」の効能が追加となりました。

⑨シングリックス筋注用(帯状疱疹ワクチン)【効能追加】

従来では50歳以上の成人が対象でしたが、「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者」も接種可能となりました。

なお、帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者とは、以下のような状態の者を指します。

・疾病又は治療により免疫不全である者、免疫機能が低下した者又は免疫機能が低下する可能性がある者
・上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた者

⑩リンヴォック錠(ウパダシチニブ)【効能追加】

「中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能が追加となりました。

⑪リムパーザ錠(オラパリブ)【効能追加】

「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」を効能が追加となりました。
この効能ではザイティガ+プレドニゾロンが併用される場合があります。

〈BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌〉
通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。
他の薬剤と併用する場合は、アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンと併用すること。
なお、患者の状態により適宜減量する。

新薬DSU等の解説
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