レミッチの服薬指導

レミッチの服薬指導
今回はレミッチカプセルの服薬指導をまとめました。レミッチは2009年に「血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能・効果で発売され、さらに、2015年5月に「慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能・効果が追加となった薬剤です。

レミッチは世界初の選択的κ受容体作動性の経口そう痒症改善剤であり、血液透析患者、慢性肝疾患患者における既存治療抵抗性のかゆみを1日1回の経口投与で改善します。

用法は1日1回夕食後又は就寝前となっています。これは傾眠、めまいなどの副作用が報告されており、自動車の運転などに対する影響が懸念されることと、そう痒症に関しては、睡眠障害につながる夜間のかゆみを取り除くことがより重要であることから、夕食後又は就寝前の投与が望ましいため設定されています。

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レミッチの概要

服薬指導難度

効能

次の患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
血液透析患者、慢性肝疾患患者

用法・用量

1日1回2.5μgを夕食後又は就寝前に経口投与する。なお、症状に応じて増量することができるが、1日1回5μgを限度とする。

名前の由来

痒み(itch)を取り除く(remove)という意味からレミッチ(remitch)と名付けられました。

レミッチの服薬指導の際に確認すること

① 肝障害・腎障害の有無

肝障害・腎障害の有無を聴取し、血液透析患者か慢性肝疾患者のどちらの効能で使われているか確認します。

なお、重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者に対してはリスク・ベネフィットを勘案し、投与中は患者の状態を十分に観察することと記載されています。

これは重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者に対する投与経験がなく、有害事象発現のリスクが高くなる可能性が考えられるため設定されています。

レミッチの服薬指導の際に伝えること

①運転などの注意【重要な基本的注意】

副作用として、傾眠、浮動性めまい等が報告されているため、自動車の運転などの機械操作を避けるように説明します。

②グレープフルーツジュースを避けること【併用注意】

レミッチは主としてCYP3A4により代謝されるため、CYP3A4阻害作用のある薬剤等は併用注意となっており、グレープフルーツジュースも同様に併用注意のため避けるように説明します。

③肝機能障害の副作用の注意【重大な副作用】

重大な副作用に肝機能障害、黄疸の記載があるため倦怠感、白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿が褐色になるになどでる場合はすぐに受診するように説明します。

④その他の副作用の説明

血液透析患者の場合は不眠、便秘、眠気が投与開始後2週間以内に、慢性肝疾患患者の場合は不眠、眠気、便秘、頻尿・夜間頻尿が投与開始後4週間以内にあらわれることが多いので、異常が認められた場合には相談するよう説明します。

⑤保存の注意【適用上の注意】

アルミピロー開封後は遮光保存することを説明します。

レミッチの服薬指導薬歴例

S)かゆみで今までの薬がきかないので試してみます。
O)透析あり・肝障害なし
A)眠気、めまいがでる可能性あり運転など避けること説明。グレープフルーツジュースを避けること説明。アルミピロー包装開封後は遮光保存説明。

万一、倦怠感、白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿が褐色になるになどでる場合はすぐに受診するよう指示。不眠、便秘、眠気が投与開始後2週間以内に見られやすいため、異常があれば受診するよう説明。

P)副作用確認

皮膚薬剤別服薬指導
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