2019年5月分 DSUのまとめ

2019年5月分 DSUのまとめ

2019年5月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回は「原則禁忌」から「禁忌」への移行に関する内容が多くなっています。

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①ラボナ(ペントバルビタール)【原則禁忌から禁忌へ】

従来、原則禁忌であった「急性間歇性ポルフィリン症」が禁忌に移行しました。

②バルプロ酸製剤(デパケンなど)【原則禁忌から禁忌へ】

従来、原則禁忌であった「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」が〈片頭痛発作の発症抑制〉の効能では禁忌に移行しました。

なお、〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉の効能では従来通り原則禁忌のままとなっています。

③メタルカプターゼ(ペニシラミン)【原則禁忌から禁忌へ】

従来、〈関節リウマチ〉の効能で原則禁忌であった「骨髄機能の低下している患者」が禁忌に移行しました。

なお、〈ウイルソン病(肝レンズ核変性症)、鉛・水銀・銅の中毒〉の効能では従来通り原則禁忌にも禁忌にも記載がありません。

④パセトシンなど【原則禁忌から禁忌へ】

従来、原則禁忌であった「本剤の成分に対する過敏症の既往歴」が「禁忌」に移行しました。(従来より禁忌であった「本剤の成分によるショックの既往歴」と統合されました)

なお、「ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者」は従来通り原則禁忌のままとなっています。

⑤フロモックス、メイアクトなど【原則禁忌から禁忌へ】

従来、原則禁忌であった「本剤の成分に対する過敏症の既往歴」が「禁忌」に移行しました。(従来より禁忌であった「本剤の成分によるショックの既往歴」と統合されました)

なお、「セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者」は従来通り原則禁忌のままとなっています。

⑥SGLT2阻害剤【重大な副作用・重要な基本的注意 】

「重大な副作用」に「外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)」が追記となりました。

これに伴い従来より記載のある【重要な基本的注意】の尿路感染及び性器感染の発症に関する部分に「外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)」の文言が追記されました。

また、ケトアシドーシスに関する患者指導事項に、「血糖値が高値でなくともケトアシドーシスが発現しうること」が追記となりました。

フルニエ壊疽とは(フォシーガ添付文書改訂のお知らせより引用)

(FDA Safety announcement1)より一部抜粋、改変) フルニエ壊疽は、きわめてまれな、生命を脅かす会陰部の筋、神経、脂肪、血管周囲の皮下組織の細菌感染である。通常、創傷部から細菌が体内に侵入、急速に広がり、感染した組織を破壊する。

糖尿病はフルニエ壊疽発現の リスクファクターであるが、糖尿病患者においてもフルニエ壊疽は、まれである。通常、男性に多く、女性での報告は 限られているが、SGLT2阻害剤投与後では女性でも報告されている。

 性器周辺の圧痛、発赤、または腫脹の症状があり、高熱または体調不良などがある場合、患者はすぐに医療機関を受診することが重要である。

フルニエ壊疽が疑われた場合は、SGLT2阻害剤を中止し、必要に応じて広域抗生物質による治療およびデブリードマンなどの外科処置を直ちに開始すること。 

⑦トルリシティ皮下注アテオス【重大な副作用】

「重大な副作用」に「重度の下痢、嘔吐」が追記となりました。

<重大な副作用>
重度の下痢、嘔吐(頻度不明) :重度の下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至った例も報告されている。


<改訂理由>
国内外で集積されたデータを検討した結果、本剤投与開始後に重度の下痢、嘔吐を発現し、さらに、脱水から体液量が減少し、急性腎障害を発現した症例が認められました。

本剤と急性腎障害の直接的な関連性を示唆するデータは認められませんでしたが、本剤の有害事象として、下痢・嘔吐といった胃腸障害が知られており、本剤が間接的に急性腎障害の原因となった可能性は否定できないことから、重大な副作用の項に「重度の下痢、嘔吐」を追記し、注意喚起を行うことにしました。 

<医療関係者のみなさまへのお願い> 
脱水を起こしやすい患者さん(高齢の患者さん、利尿剤を使用している患者さん、腎障害のある患者さん等)に重度の下痢や嘔吐が認められた場合には、脱水により体液量が減少しないよう患者さんの状況に応じて、下痢、嘔吐への対症療法を行っていただくと共に、患者さんには、適度な水分補給を行っていただくようご指導をお願いいたします。

⑧フェノバール(フェノバルビタール)【併用禁忌】

併用禁忌」の項に以下の薬剤が追記されました。なお、相手薬剤側ではすでに併用禁忌に追記となっています。

<C型慢性肝炎・肝硬変>
● エレルサ(エルバスビル)
● グラジナ(グラゾプレビル)
● ジメンシー配合錠 (ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル)
● エプクルーサ配合錠(ソホスブビル・ベルパタスビル) C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変

<急性冠症候群>
● ブリリンタ(チカグレロル)

<マラリア>
● リアメット配合錠(アルテメテル・ルメファントリン)

<HIV感染症>
● プレジコビックス配合錠(ダルナビル・コビシスタット)
● コムプレラ配合錠(リルピビリン・テノホビル ジソプロキシル・エムトリシタビン)
● オデフシィ配合錠(リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン)
● ゲンボイヤ配合錠(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)
● スタリビルド配合錠(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル)
● ジャルカ配合錠(ドルテグラビル・リルピビリン)

DSU等の解説
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