今回は2019年春の新薬承認品目のなかから薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。
ゼチーアとクレストールの配合剤である「ロスーゼット配合錠」やICS、LAMA、LABAの3成分を配合する「テリルジーエリプタ」などは特に把握しておいたほうがよいかと思います。
また、効能追加情報も一部記載しています。
①ビバンセカプセル(リスデキサンフェタミン)
「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を効能とする中枢神経刺激薬です。
覚せい剤原料として指定されています。
②アーリーダ錠(アパルタミド)
「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌」を効能とする抗アンドロゲン剤です。
名称の由来はありません。
③ロスーゼット配合錠(エゼチミブ/ロスバスタチンカルシウム)
ゼチーアとクレストールの配合剤です。
LDとHDの2規格があり、ゼチーアは固定用量でクレストールの用量がLDで2.5mg、HDで5mgと異なります。
④ テリルジーエリプタ(フルチカゾンフランカ ルボン酸エステル/ウメクリジニウム/ビランテロール)
「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」を効能とするICS、LAMA、LABAの3成分を配合する初の吸入配合剤です。
成分としては下記の3種が配合されているため、 従来製剤での組み合わせとしては「レルベア(ICS+LABA)+エンクラッセ(LAMA)」または「アニュイティ(ICS)+アノーロ(LAMA+LABA)」 に相当します。
・吸入ステロイド薬(ICS):フルチカゾンフランカルボン酸エステル
・長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA):ウメクリジニウム臭化物
・長時間作用性 β2刺激薬(LABA):ビランテロールトリフェニル酢酸塩
名称の由来は特にありません。
⑤ スマイラフ錠(ペフィシチニブ)
「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造 的損傷の防止を含む)」を効能とする国内3剤目となるヤヌスキナーゼ阻害薬です。
「Smile」と「Rheumatoid Arthritis」と「Life」を用いた造語に由来し命名されています。
⑥ ラフェンタテープ(フェンタニル)
「非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛(ただし,他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)を効能とする 3 日間貼付用のフェンタニルテープ剤です。
既存のフェンタニルテープにはない放出調節膜を内包することで、貼付初期の過量放出が抑えられ 、また、既存製剤に比べ血中濃度のばらつきが少ないため、鎮痛効果の個人差が少ないことや3 日間の安定した鎮痛効果が期待されています。
⑦ イノラス配合経腸用液
「一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する」を効能とする経腸栄養剤(経口・経管両用)です。 類薬としてはラコールが存在します。
必須栄養素として規定されていないカルニチン及びコリンについても近年の国内外における栄養学的知見等を踏まえて配合された製剤です。
1袋(187.5mL)が300kCalの高濃度(1.6kcal/mL)の経腸栄養剤であり、 「ヨーグルトフレーバー」と「りんごフレーバー」の2種類の製剤が存在します。
⑧フォシーガ(ダパグリフロジン)【効能追加】
「1型糖尿病」の効能が追加となりました。
<1型糖尿病>
インスリン製剤との併用において、通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができる。
⑨リウマトレックス【効能追加】
「局所療法で効果不十分な尋常性乾癬」、「関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」の効能が追加となりました。
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