新薬承認情報【2017年春】

新薬承認情報
今回は2017年春分の新薬承認品目のなか、薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。

新しいAD/HDの薬剤であるインチュニブ錠や非常に珍しいシャンプーという剤形であるコムクロシャンプーなどが承認されました。

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①インチュニブ錠(グアンファシン)

「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を効能とする、選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬という新しい作用機序の薬剤です。Intuitive(直観力のある)に由来して命名されています。

投与中止の際には血圧及び脈拍数に注意しながらの減量が必要な薬剤となります。

本剤の投与を中止する場合は,原則として3日間以上の間隔をあけて1mgずつ,血圧及び脈拍数を測定するなど患者の状態を十分に観察しながら徐々に減量すること。[本剤の急な中止により,血圧上昇及び頻脈があらわれることがある。]

また、下記のように開始用量、維持用量、最大用量が体重により細かく設定されています。

   体重    開始量 維持量 最高量
17kg以上25kg未満 1mg 1mg 2mg
25kg以上34kg未満 1mg 2mg 3mg
34kg以上38kg未満 1mg 2mg 4mg
38kg以上42kg未満 1mg 3mg 4mg
42kg以上50kg未満 1mg 3mg 5mg
50kg以上63kg未満 2mg 4mg 6mg
63kg以上75kg未満 2mg 5mg 6mg
体重75kg以上の場合 2mg 6mg 6mg

②スインプロイク錠(ナルデメジン)

「オピオイド誘発性便秘症」を効能とする1日1回投与の末梢性μオピオイド受容体拮抗薬となります。Control Symptoms of OIC(OIC:オピオイド誘発性便秘症(opioid-induced constipation))が名前の由来となります。

オピオイドの中枢性鎮痛作用を減弱することなく、消化管のμオピオイド受容体に結合し、オピオイドの末梢性作用に拮抗することで便秘症状を緩和します。

重要な基本的注意の項目にオピオイド離脱症候群に関する記載があります。

オピオイド離脱症候群(一般的には,投与後数分あるいは数日以内に起こる次の症状の複合的な発現:不安,悪心,嘔吐,筋肉痛,流涙,鼻漏,散瞳,立毛,発汗,下痢,あくび,発熱,不眠)を起こすおそれがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

③ナルサス錠(ヒドロモルフォン)

麻薬性がん疼痛鎮痛薬であるヒドロモルフォンを成分とする「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」を効能とする徐放性製剤です。

徐放性製剤のため、1日1回の用法であり、レスキュー用ではありません。ヒドロモルフォンを成分とするレスキュー用としては後述のヒドロモルフォン即放性製剤であるナルラピドがあります。

④ナルラピド錠(ヒドロモルフォン)

前述のナルサスと同成分の即放性製剤です。1日4~6回に分割経口する定時投与のほか、レスキューとして臨時投与にも使用できます。

⑤コムクロシャンプー(クロベタゾールプロピオン酸エステル)

1日1回、乾燥した頭部に患部を中心に適量を塗布し、約15分後に水又は湯で泡立て洗い流す、というshort contact therapyを用法とした、クロベタゾールプロピオン酸エステル(デルモベートスカルプと同成分)を含有する「頭部の尋常性乾癬」を効能とするシャンプー様外用液剤です。

Comfortable(快適な)+Clobetasol(成分名)から命名されています。

⑥アニュイティエリプタ(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)

気管支喘息を効能とします。レルベアに含有されるステロイドと同成分のステロイド単剤の薬剤であるため、レルベアからのステップダウン(もしくはアニュイティからレルベアへのステップアップ)で使用される場合が多いかと考えられます。

DSU等の解説
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