2019年3月分 DSUのまとめ+効能追加情報

2019年3月分 DSUのまとめ+効能追加情報

今回は2019年3月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回はそれほど重要性が高い改訂事項はありませんが、風しん含有ワクチンの改訂理由やファムビルの効能追加に関する内容は認識しておいたほうがよいかと思います。

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①イブランスカプセル(パルボシクリブ)【重要な基本的注意・
重大な副作用】

重要な基本的注意及び重大な副作用に「間質性肺疾患」が追加となりました。

<重要な基本的注意>
間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。

また、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。

<重大な副作用>
間質性肺疾患: 間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、 異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行 うこと。

②マヴィレット配合錠(グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル)【重要な基本的注意・重大な副作用】

重要な基本的注意及び重大な副作用に「肝障害、黄疸」が追加となりました。

<重要な基本的注意>
肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。

<重大な副作用>
肝機能障害、黄疸: AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれること があるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置 を行うこと。

③フルナーゼ、アラミスト、フルタイド、アドエア、レルベア、アニュイティ【重要な基本的注意】


「重要な基本的注意」の項におけるステロイド全身作用に係わる注意喚起に「中心性漿液性網脈絡膜症」が追記となりました。

なお、他のステロイド吸入・点鼻・外用塗布ステロイド剤では「その他の副作用」に記載のあるものや記載自体がないものも存在しているようです。

< 重要な基本的注意 >
全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により全身性の作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児の成長遅延、骨密度の低下、白内障、緑内障、中心性漿液性網脈絡膜症を含む)が発現する可能性があるので、吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節すること。

特に長期間、大量投与の場合には定期的に検査を行い、全身性の作用が認められた場合には患者の喘息症状を観察しながら適切な処置を行うこと。

中心性漿液性脈絡網膜症とは(日本眼科学会より引用)

中心性漿液性脈絡網膜症は、光を感じる神経の膜である網膜の中で、最も視力に関係する部分(黄斑)に網膜剥離が発生する病気です。

30~50代の働き盛りの男性に多くみられます。

片方の目に発症することが多いのですが、時に、両方の目の発症することもあります。ほとんどは良好な経過をたどり自然に治ることが多い病気です。

視力低下は軽い場合がほとんどです。視野の中心が暗く見える中心暗点、ものが実際よりも小さく見える小視症、ものがゆがんで見える変視症が生じることがあります。

普通は網膜剥離が治ると症状は軽快しますが、何らかの見にくさが残ることが多いようです。また、網膜剥離が長い期間続いたり、再発を繰り返したりするような場合には、視力も低下してしまうこともあります。

④風しん含有ワクチン

「用法・用量に関連する接種上の注意」の定期の予防接種対象者に、「昭和37年4 月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性(平成34年3月31日までの適用)」が追記されました。

対象となる男性は、2022年3月末までの間、市区町村により送付されるクーポン券を使用すれば、原則無料で抗体検査及び定期接種を受けられるようになるようです。

なお、厚生労働省の「医療機関・健診機関向け手引き」によると乾燥弱毒生風しんワクチン(風しん単味ワクチン) ではなく、原則、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(MR ワクチン)を使用することとされています。

<用法及び用量に関連する接種上の注意 >
接種対象者:定期の予防接種
昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの 間に生まれた男性。この対象者は、平成34年3 月31日までの適用とする。

改訂理由 

現在の風しんの発生状況等を踏まえ、風しんの感染拡大防止のため、抗体保有率が他の世代に比べて低い世代の男性(昭和 37 年 4 月 2 日から昭和 54 年 4 月 1 日生まれ)に対し、平成 34 年(2022 年)3 月 31 日までの間、予防接種を行うことになりました。

ただし、風しんに係る抗体検査を実施した結果、十分な量の風しんの抗体があることが判明し、当該予防接種を行う必要がないと認められる方は対象から除かれます。

また、この定期の予防接種に使用できるワクチンは、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン又は乾 燥弱毒生風しんワクチンです。 

※予防接種実施規則では「第 5 期予防接種」と規定されています。平成 20 年 4 月 1 日から平成 25 年 3 月 31 日までに適用された第 3 期(13 歳)及び第 4 期(18 歳)に続く第 5 期という位置付けです。

⑤ファムビル(ファムシクロビル)【効能追加】

ファムビルに従来の単純疱疹の効能に加えて、新たに「再発性の単純疱疹」の場合の用法・用量が追加されました。

再発性の単純疱疹に対するこの新たな用法・用量、注意点はかなり特殊であるため認識していないと処方がきた場合に混乱することが予想されます。

この内容は別記事でまとめているため、そちらをご参照ください。

⑥アザニン・イムラン(アザチオプリン)【効能追加】

「自己免疫性肝炎」の効能が追加となりました。

これは2018年 の夏頃に公知申請対象となった内容が今回正式に効能追加となりました。

⑦ヒュミラ皮下注40mg・80mgシリンジ・ペン(アダリムマブ)【効能追加】

「化膿性汗腺炎」の効能が追加となりました。

なお、20mgシリンジ・ペンには今回の効能は追加となっていません。

DSU等の解説
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