
今回は薬剤師の教育用に薬剤知識確認テスト【併用禁忌編】を作成しました。
自身の知識確認や新卒薬剤師の教育などに参考になればと思います。
*選択肢の薬剤で剤形の記載がないものは内服薬として記載しています。
*ジェネリックが発売されているものは一般名、販売されていないものは商品名として記載しています(一部例外あり)。
*すべての併用禁忌を選択肢に入れているわけではないので、薬剤によっては選択肢以外で併用禁忌が存在する場合もあります。
- 併用禁忌についての考え方
- 問1 フェブキソスタットと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問2 ベタニスと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問3 プロプラノールと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問4 フルボキサミンと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問5 ベルソムラと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問6 オラペネム小児用細粒と併用禁忌の薬剤はどれか
- 問7 タクロリムスと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問8 シクロスポリンと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問9 ミニリンメルトOD錠25/50µgと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問10 ロコアテープと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問11 セリンクロと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問12 モノアミン酸化酵素阻害剤(エフピー、エクフィナ、アジレクト)と併用禁忌の薬剤はどれか
- 問13 クラリスロマイシンと併用禁忌の薬剤はどれか
- 問14 イトラコナゾールと併用禁忌の薬剤はどれか
- 答え
併用禁忌についての考え方
別記事でも取り上げる予定ですがざっくり下記は認識しておく必要があります。
・併用禁忌は片側の薬剤からだけではなく双方向で認識しておく必要がある(答えの薬剤から問題文の薬剤を答えられるようにもする必要がある)。
・薬剤名だけでなく、薬剤が使用される効能領域(泌尿器科、心臓など)を意識する必要がある(特に患者が薬剤名不明の併用薬があるときに併用禁忌に該当しないか判断する際に必要)。
・改訂遅れなどで併用禁忌が片側の添付文書にしか記載されていない場合もある(数年間その状態の場合もある)。
・併用禁忌でない薬剤でも併用注意に該当してノーリスクで使用できるわけではない場合もある。併用注意でもAUC上昇率が著しいものなど疑義照会が必須のものもある。
問1 フェブキソスタットと併用禁忌の薬剤はどれか
①ロイケリン ②エンドキサン ③イムラン ④アザニン
①、③、④
・イムランとアザニンは同成分の併売品です。
・フェブキソスタットは頻用される薬剤ですが、併用禁忌があることを見落としがちであるため注意が必要です。
問2 ベタニスと併用禁忌の薬剤はどれか
①ピルシカイニド ②フレカイニド ③ベプリジル ④アプリンジン
②
・ベタニスは頻用される薬剤ですが、併用禁忌があることを見落としがちであるため注意が必要です。
問3 プロプラノールと併用禁忌の薬剤はどれか
①スマトリプタン ②エレトリプタン ③リザトリプタン ④ナラトリプタン
③
・プロプラノールは片頭痛でも使用される場合があるので、同じ効能間での併用禁忌という割と珍しい併用禁忌となります。稀にリザトリプタンと同じ病院から処方されてしまい疑義照会が必要になるケースもあります。
問4 フルボキサミンと併用禁忌の薬剤はどれか
①ラメルテオン ②メラトベル ③ベルソムラ ④エペリゾン ⑤チザニジン
①、②、⑤
・メラトベルとフルボキサミンは小児で該当する可能のある数少ない併用禁忌として認識しておく必要があります。
問5 ベルソムラと併用禁忌の薬剤はどれか
①エリスロマシン ②クラリスロマイシン ③イトラコナゾール ④フルコナゾール ⑤ボリコナゾール ⑥パキロビッド ⑦ゾコーバ ⑧ラゲブリオ ⑨ジルチアゼム ⑩ベラパミル
②、③、⑤、⑥、⑦
・答えに該当しない選択肢のもの(ラゲブリオは除く)はCYP3Aを中等度に阻害する薬剤であり、併用注意となります。これらの薬剤を併用する場合はベルソムラを1日1回10mgへの減量を考慮となっています。
なお、誤解されがちですが「減量すること」ではなく「減量を考慮」であるため減量しない選択も可能です。
問6 オラペネム小児用細粒と併用禁忌の薬剤はどれか
①フェノバール ②レベチラセタム ③カルバマゼピン ④バルプロ酸ナトリウム
④
・小児で該当する可能のある併用禁忌として認識しておく必要があります。
問7 タクロリムスと併用禁忌の薬剤はどれか
①シクロスポリン ②プラバスタチン ③ピタバスタチン ④シンバスタチン ⑤ロスバスタチン ⑥パルモディア ⑦スピロノラクトン ⑧ミネブロ ⑨エプレレノン ⑩ケレンディア
①、⑦
ミネブロ、エプレレノン、ケレンディアは併用注意です。
問8 シクロスポリンと併用禁忌の薬剤はどれか
①タクロリムス ②プラバスタチン ③ピタバスタチン ④シンバスタチン ⑤ロスバスタチン ⑥パルモディア ⑦スピロノラクトン ⑧ミネブロ ⑨エプレレノン ⑩ケレンディア
①、③、⑤、⑥
・併用禁忌以外のスタチン系薬剤、フィブラート系薬剤は併用注意です。
なお、併用注意でも少なくともスタチン系薬剤ではAUC増加率が著しい(最も影響が少ないフルバスタチンでも3倍程度)ことが知られているので疑義照会は必須と考える必要があります。
・スピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿剤は併用禁忌ではなく併用注意です。
問9 ミニリンメルトOD錠25/50µgと併用禁忌の薬剤はどれか
①プレドニン錠 ②フルタイドディスカス ③リンデロンVG軟膏 ④セレスタミン配合錠 ⑤レクタブル注腸フォーム ⑥ペンタサ注腸 ⑦フロセミド ⑧ナトリックス ⑨トリクロルメチアジド ⑩スピロノラクトン
①、②、④、⑤、⑦、⑧、⑨
・ミニリンメルトOD錠25/50µgはミニリンメルトOD錠60/120/240µgとは別製剤であり、チアジド系利尿剤、チアジド系類似剤、ループ利尿剤、ステロイドが併用禁忌となっています。
・特にステロイド剤は経口剤だけでなく吸入剤、注腸剤、坐剤も併用禁忌となっているため注意が必要です。
・ミニリンメルト処方時の併用薬聴取の際に患者側が外用薬いついて言及しないことが想定されるので、「吸入や坐剤なども併用もないですか?」と薬剤師側から踏み込んで聴取する必要があることは強く認識しておく必要があります。
問10 ロコアテープと併用禁忌の薬剤はどれか
①ノルフロキサシン ②スオード ③レボフロキサシン ④トスフロキサシン
①、②
・外用剤の併用禁忌は見落としやすいため注意が必要です。
特にスオード処方時の併用薬聴取の際に患者側が外用薬のロコアテープのことを言及しないことが想定されるので、「はり薬の併用もないですか?」と薬剤師側から踏み込んで聴取する必要があることは強く認識しておく必要があります。
問11 セリンクロと併用禁忌の薬剤はどれか
①アセトアミノフェン ②トラマドール ③コデイン ④オキシコドン ⑤モルヒネ
②、④、⑤
・セリンクロ(飲酒量低減薬)はほとんどのオピオイド系薬剤が併用禁忌となっています。なお、コデインは併用注意です。
問12 モノアミン酸化酵素阻害剤(エフピー、エクフィナ、アジレクト)と併用禁忌の薬剤はどれか
①トラマドール ②トリプタノール ③マプロチリン ④セルトラリン ⑤エスシタロプラム ⑥トリンテリックス ⑦デュロキセチン ⑧アトモキセチン ⑨スルピリド ⑩コールタイジン点鼻液
①、②、③、④、⑤、⑥、⑦、⑧、⑩
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(エフピー、エクフィナ、アジレクト)はほとんどすべての抗うつ薬が併用禁忌となっています。また、抗うつ薬以外もコールタイジンなどの点鼻薬を含み、多くのものが併用禁忌となっています。
問13 クラリスロマイシンと併用禁忌の薬剤はどれか
①オルメサルタン ②アゼルニジピン ③ケレンディア ④ミネブロ ⑤コララン ⑥ラツーダ ⑦ブロナンセリン ⑧アドシルカ
②、③、⑤、⑥、⑧
・クラリスロマイシンは頻用される薬剤ですが、併用禁忌が非常に多いので注意が必要です。
・新薬でクラリスロマイシンが併用禁忌となるケースは多々ありますが、その場合には新薬側の添付文書では併用禁忌だが、クラリスロマイシン側には記載がされていない(改訂が追い付いていない)ケースがあるので特に新薬の場合はこの点を認識しておく必要があります。
問14 イトラコナゾールと併用禁忌の薬剤はどれか
①トリアゾラム ②ブロチゾラム ③アトルバスタチン ④シンバスタチン ⑤アゼルニジピン ⑥シルニジピン ⑦ブロナンセリン ⑧アドシルカ ⑨プラザキサ ⑩イグザレルト
①、④、⑤、⑦、⑧、⑨、⑩
・クラリスロマシン同様の併用禁忌が多くなりますが、トリアゾラム、ブロナンセリン、シンバスタチン、プラザキサ、イグザレルトなどクラリスロマイシンでは併用注意のものも併用禁忌となっています。
・新薬でイトラコナゾールが併用禁忌となるケースは多々ありますが、その場合には新薬側の添付文書では併用禁忌だが、イトラコナゾール側にはしばらく記載されないという注意点は前述同様です。

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