
2026年初夏の新薬承認情報+効能追加情報のなかから薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。
今回は緑内障治療薬のロープッレッサ点眼液や月経困難症のマルシロン配合錠などは処方される機会がありそうなので認識しておいたほうがよいかと思います。
①ロープレッサ点眼液(ネタルスジル)
「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症」を効能とする1日1回点眼のRhoキナーゼ/ノルエピネフリントランスポーター阻害薬です。
グラナテックにノルエピネフリントランスポーター阻害作用がついて1日1回投与になったようなイメージの薬剤です。
製薬会社にも確認しましたが、グラナテックと機序がかぶるのでグラナテックとは併用できませんが、他の緑内障治療薬とは併用可能のようです。
Rhoキナーゼの阻害による線維柱帯流出路からの房水流出の促進及びノルエピネフリントランスポーターの阻害による房水産生抑制作用により、眼圧下降作用を示すと考えられています。
グラナテックとの眼圧効果作用の比較で非劣性でなく優越性が認められているので効果は期待できそうな印象です。
作用機序である Rho kinase阻害からの「ロー」、眼圧の圧力(プレッシャー)から「プレッサー」を併せて名付けられています。
副作用について
グラナテック同様に充血が高頻度に認められています。
グラナテックでは重要な基本的注意には記載がありませんが、ロープレッサでは重要な基本的注意に眼痛や眼脂がでる場合は受診するように記載されています。
ただ、製薬会社に確認したところ、充血のみで眼痛や眼脂がない場合には受診しなくていいわけではなく、充血の程度がひどい場合は眼痛や眼脂がなくとも受診してもらったほうがよさそうです。
また、ロープレッサでは渦巻き角膜の副作用が20%程度報告されており、霧視、視力低下等出る場合には受診するように指導する必要があります。
明記はされていませんが、羞明も渦巻き角膜の自覚症状とのことなので、羞明も併せて伝える対応がよさそうです。
<重要な基本的注意>
・本剤の投与により、渦巻き角膜や角膜上皮浮腫があらわれることがあるため、霧視、視力低下等の自覚症状が認められた場合には、受診するよう患者に指導すること。
また、渦巻き角膜又は角膜上皮浮腫に伴い霧視、視力低下等が認められた場合は、本剤の継続の可否について慎重に判断すること。・本剤の投与により、結膜充血があらわれることがあるため、本剤投与中は定期的に検査を行い、感染症等に伴う結膜充血との鑑別に留意すること。
また、眼痛や眼脂等の自覚症状が認められた場合には、受診するよう患者に指導すること。
1本2.5mLのため注意
1本2.5mLで冷所保管です。
プロスタグランジン関連薬や持続性のβ遮断薬以外で1本2.5mLは珍しいので本数ミスの調剤過誤に注意が必要です。
②マルシロン配合錠(デソゲストレル/エチニルエストラジオール)
月経困難症を効能とする既存製剤とは異なるプロゲスチン(デソゲストレル)を含有している低用量エストロゲン・プロゲスチン(LEP)製剤です。
海外では避妊の効能で承認されていますが、月経困難症の効能では日本が初のようです。
患者さんの希望に応じて、連続投与期間を24 日から 80 日間の間で自由に設定できる点が特徴となっています。
<用法用量>
1 日 1 錠を 24~80 日間連続経口投与し、その後 4 日間休薬する。以後連続投与と休薬を繰り返す。
一般名に注意
デソゲストレル/エチニルエストラジオールが成分であり組成としてはマーベロン/ ファボワールと同じ成分ですが、マルシロンのほうがエチニルエストラジオールのmgが少量となっています。
一般名で処方されるケースがどの程度あるかわかりませんが、エチニルエストラジオールの量がマーベロン/ファボワールでは0.03 mg、マルシロンでは0.02mgとなっています。
自費処方かどうかなどである程度区別はつくかと思いますが、mg違いの同成分があることは過誤防止の意味でも認識しておいたほうがよいかと思います。
③ラプシド錠(レミブルチニブ)
特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)を効能とするブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤です。Rapid(速やかな)から名付けられています。
ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤というと今までは血液系の腫瘍薬がイメージされましたが、ラプシド錠は慢性蕁麻疹に対する薬剤となっています。
ブルトン型チロシンキナーゼを阻害することでマスト細胞及び好塩基球の活性化を阻害し、ヒスタミンや炎症性メディエーターの遊離を抑制するとされています。
本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うことされています。
また、下記のように出血リスク、生ワクチン接種を避ける、避妊が必要などの注意点が記載されています。
<重要な基本的注意>
・本剤による出血のリスクが増加するため、本剤投与中に手術を受ける患者に対しては、手術の種類及び出血リスクに応じて、手術前後3~7日間の本剤投与中断を考慮すること。・本剤投与中の生ワクチンの接種は安全性が確認されていないので行わないこと。
<生殖能を有する者>
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること
④ウゴービ皮下注(セマグルチド)【効能追加】
「肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎 ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限る。」の効能が追加となりました。
用法用量は従来の肥満症の効能とかわりないようです。
⑤ゾコーバ錠(エンシトレルビル)【効能追加】
6 歳以上 12 歳未満の小児の用法・用量が追加となりました。
また、これに伴い25 mg規格、125mg 6錠包装が追加となりました。この改訂はかなり注意が必要なので別記事にまとめているのでご参照ください。
⑥オルミエント錠(バリシチニブ)【効能追加】
円形脱毛症の効能において「12歳以上かつ体重30kg以上の小児」の効能が追加となりました。



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