
2026年5月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はそれほど重要な改訂はありませんでしたがアウィクリ注 の注意喚起については認識しておいたほうがよいかと思います。
①エタネルセプト皮下注【重大な副作用】
重大な副作用に「自己免疫性肝炎」が追記されました。
②スチバーガ錠(レゴラフェニブ)【重大な副作用】
重大な副作用に「高アンモニア血症」が追記されました。
<重大な副作用 高アンモニア血症 >
肝機能異常を伴わずに、高アンモニア血症があらわれることがある。意識障害が認められた場合には、アンモニア値の測定を考慮すること。
③内服・注射などの全身性ステロイド
「重大な副作用の誘発感染症、感染症の増悪」の項目に進行性多巣性白質脳症(PML)についての内容が追記されました。
なお、同じ項目に記載されているB型肝炎については従来から記載されています。
「進行性多巣性白質脳症」は多くの人に潜伏感染しているJCウイルスが、免疫力が低下した状況で再活性化して引き起こされる脳の感染症とされています。
<重大な副作用 誘発感染症、感染症の増悪>
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。
また、進行性多巣性白質脳症(PML)が認められることがあるので、本剤の投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、適切な処置を行うこと。
④アウィクリ注 フレックスタッチ【重要な基本的注意】
重要な基本的注意に誤って連日投与や単位数の誤りにより重大な低血糖を起こすおそれがある旨が追記されました。
すでに認識している薬剤師も多いかと思いますが、アウィクリは週 1 回投与する薬剤であることや単位合わせダイアルの1クリック(1目盛り)が10単位刻みになっているので誤って使った場合のリスクが高い製剤となります。
<重要な基本的注意>
他のインスリン製剤や GLP-1 受容体作動薬等から本剤に変更する場合や、これらの薬剤と本剤を併用する場合において、本剤を連日投与する、又は指示された単位数より多く設定して投与する等の投薬過誤が生じ、その結果、重大な低血糖を起こすおそれがある。
本剤の投与方法に過誤が生じないよう、本剤が週 1 回投与する薬剤であること及び本剤の単位数の設定方法について、患者に十分指導すること。
⑤MS温シップ「タイホウ」:20g(140㎝²)サイズ【取扱い上の注意】
20g(140㎝²)サイズの包装の開口部にチャック付きに変更されます。
なお、40g(280㎝²)サイズはチャックは付かず従来通りのため切り口を折っての保管となります。
<取扱い上の注意<20g(140㎝²)サイズ>
使用残りの薬剤は袋にもどし、チャックを閉めて厳重密閉のうえ直射日光や高温の場所を避けて保存すること。
⑥オンボー皮下注 200mg 【効能追加】
従来、200mg製剤にはクローン病の効能しか無かったものが、潰瘍性大腸炎の効能も追加となり、100mg製剤と同じ効能に統一されました。
従来だと200mg製剤は単品での包装ではなく、クローン病用の1回300mgを投与するための「100mgと200mgのセット包装」のみとなっており、潰瘍性大腸炎では100mg 製剤を2本使用する必要があり添付文書がかなりわかりにくくなっていましたが、今回の改訂でこのあたりは解消されそうです。
今後は下記のセット包装は販売中止となり、単品での包装のみとなるようです。
ただし、単品製剤はまだ販売準備中のようなので、これが発売されて旧包装が販売中止になるまでは経緯を知っていないと混乱するかもしれません。
〈オンボー皮下注100mgオートインジェクター 潰瘍性大腸炎用〉
1mL×2オートインジェクター
〈オンボー皮下注100mgシリンジ 潰瘍性大腸炎用〉
1mL×2シリンジ〈オンボー皮下注100mg及び200mgオートインジェクター クローン病用〉
1mL×1オートインジェクター及び2mL×1オートインジェクター〈オンボー皮下注100mg及び200mgシリンジ クローン病用〉
1mL×1シリンジ及び2mL×1シリンジ
また、冷蔵庫から取り出し、室温に戻しておくことが望ましいとされる時間が従来では潰瘍性大腸炎では投与「30分前」に、クローン病の製剤では「45分前」と異なっていましたが、「45分前」に統一され、添付文書の記載からは削除となり、指導冊子などでの記載のみとなりました。
⑦ニュベクオ(ダロルタミド)【効能追加】
「アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」の効能が追加となりました。
これにより、今までは前立腺がんの効能としての男性のみの処方でしたが、今後は唾液腺がんの効能として女性でも使用される可能性があります。
また、妊婦禁忌が新設され、男性、女性の避妊期間なども追記されました。
<禁忌>
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
<特定の背景を有する患者に関する注意 生殖能を有する者>
男性には、本剤投与中及び最終投与後 1 週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後 1 週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
⑧ゼップバウンド皮下注アテオス(チルゼパチド)【効能追加】
「中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群ただし、BMI が 27kg/m2以上に該当する場合に限る」の効能が追加となりました。
また、従来の効能である「肥満症」の合併症の条件にもともと記載されている高血圧、脂質異常症、2型糖尿病に加えて「耐糖能障害」が追加され、少し条件が緩和されました。

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